東寺(教王護国寺)To-ji Temple
東寺は、平安京遷都にともなって、都の入口である羅城門の東に建立された官寺です。
823年には、嵯峨天皇より弘法大師空海に下賜(かし)され、真言密教の根本道場となりました。その後、弘法大師空海の教えをもとに、皇族・貴族はもとより庶民に至るまで広く信仰を集めるお寺となっています。
境内には、高さ55メートルの五重塔をはじめ、本尊薬師如来像を安置する金堂や21体の立体曼荼羅を安置する講堂など、数多くの建造物や仏像が存在し、密教美術の宝庫とも呼ばれています。その数は国宝81点、重要文化財2万4千点以上にのぼります。(2021年5月現在)
また、弘法大師信仰の中心として、西院には国宝弘法大師像がまつられる御影堂があり、いつも多くの参詣者でにぎわっています。
寺宝・名所
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立体曼荼羅
講堂は弘法大師空海の構想によるもので、839年に完成しました。堂内に安置される21体の仏像は立体曼荼羅と呼ばれ、大日如来を中心とした曼荼羅の世界をわかりやすく表わしています。21体の仏像は「五智如来」「五大菩薩」「五大明王」と「四天王」、さらには「梵天・帝釈天」から構成されています。これは平安時代から続く、「人類の平和を願う」弘法大師空海からのメッセージです。
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五重塔
東寺の象徴としてだけではなく、京都のランドマークとしても親しまれている五重塔は、826年に弘法大師空海が創建着手しました。度重なる雷火により四度焼失し、現在の塔は1644年、徳川家光の寄進により竣工された五代目の塔です。 すべての層を貫く心柱は、大日如来に見立てられ、初層柱周りには四尊の如来、八尊の菩薩が囲み、真言の教えを感じとることができます。
沿革
東寺は平安遷都の後、796年に創建され、823年に嵯峨天皇により弘法大師空海に託された官寺です。弘法大師空海は東寺を「真言密教の根本道場」とされたのです。
平安時代も末期になると、羅城門は崩れ、東寺、さらには東寺と同じく都の西側に開かれた西寺も衰退の一途をたどります。
鎌倉時代にようやく東寺は、文覚上人の復興事業により堂宇の整備がおこなわれます。また信仰面においては、1233年に運慶の子・仏師康勝が弘法大師像を彫刻し西院御影堂に安置します。この弘法大師像が現在の御影堂のご本尊国宝弘法大師像です。さらに後白河法皇の皇女宣陽門院の多大な寄進により東寺は大きく中世寺院として復興し、御影堂では朝の生身供、毎月21日の御影供がはじまり、まさに民衆の信仰の場として栄えました。
南北朝時代に入り、足利尊氏が東寺食堂に陣を置いてからは、東寺は戦火に巻き込まれます。その時の新田義貞の兵を退けた戦乱の爪痕は、今も不開門(あかずのもん)として、東寺の東大門に残ります。
1486年、文明の土一揆では、金堂、講堂、南大門などが焼失し、東寺は大きく被害を受けました。桃山時代に入ってようやく復興がなされ、金堂の再建と共に、薬師如来像、日光菩薩像、月光菩薩像が安置されました。
その後も東寺は衰退と復興を重ね、平安時代からの長い年月を経て、多くの人々の手によって困難を乗り越え、現在に至ります。今日の東寺の姿は、弘法大師空海の教えを今なお伝えている「大師のみてら」なのです。
拝観のご案内
現在の情報
- 公開期間
- 無休
- 拝観休止日
- なし
- 拝観時間
- 8:00-17:00(16:30受付終了)※塔頭観智院拝観時間は、9:00-17:00(16:30受付終了)
- 拝観料
- 金堂・講堂 拝観料 大人 500円 ※塔頭観智院拝観付き共通券 大人800円 ※特別拝観期は別途
- ご連絡先
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- 電話番号 / FAX
- TEL.075-691-3325
- URL
- https://toji.or.jp/
行事案内
現在の情報
※行事は状況によって、変更・中止になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
1月1日~5日 | 初詣(五重塔特別公開) |
1月3日 | 修正会(牛玉宝印授与)〈13:00より〉 |
1月 8~14日 | 後七日御修法(ごしちにちみしほ) |
1月21日 | 初弘法 |
1月28日 | 講堂修正会〈10:00より〉 |
3月15日 | 春のお火焚き法要〈10:00より〉 |
4月21日 | 正御影供 (灌頂院絵馬御開帳) |
6月15日 | 降誕会〈10:00より〉 |
8月15日 | 万燈会〈18:00より〉 |
11月15日 | 秋のお火焚き法要〈10:00より〉 |
12月21日 | 終い弘法 |
毎月1日 | 大般若会 〈10:00より〉 |
4・5・7・9・10・12月の15日 | 布薩会〈14:00より〉 |
毎月21日 | 御影供 〈10:00より〉 |
毎月第一日曜日 | 骨董市 |
毎月21日 | 弘法市 |
拝観スケジュール
○ライトアップ夜間特別拝観
春期 3月中旬~4月中旬
秋期 10月下旬~12月上旬
○宝物館特別公開
春期 3月20日~5月25日
秋期 9月20日~11月25日
交通案内
- 名称
- 真言宗総本山 東寺 【教王護国寺】
- 所在地
- 〒601-8473 京都市南区九条町一番地
- 交通アクセス
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- 電車・バスでお越しの場合
JR京都駅八条口徒歩15分
近鉄東寺駅徒歩約10分
市バス「東寺東門前」「東寺南門前」「東寺西門前」「九条大宮」下車すぐ
- 車でお越しの場合
京都南ICより国道1号線を北へ3.5㎞
- 駐車場
- あり。 大型バス 2,000円/2時間・自家用車、タクシー 600円/2時間 (1月1日~5日は特別料金)