数珠巡礼

メニュ

二尊院Nison-in temple

 

百人一首にも詠われた小倉山のふもとに広がる二尊院。紅葉の名所と名高く、千二百年の時を超えて美しい景観に包まれてきました。二尊院はその名の通り、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を祀る寺院であり、正式には「小倉山二尊教院華臺寺」といいます。開創したのは承和年間(834~848)のこと。嵯峨天皇の勅願により慈覚大師が建立しました。明治維新までは天台宗・真言宗・律宗・浄土宗の四宗兼学の道場でしたが、明治以降 は天台宗に属しています。約五万坪の境内には、本堂、勅使門(唐門)、総門、八社宮、湛空廟、鐘楼が配されており、重要文化財の本尊二尊をはじめ、多くの寺宝が京都市指定文化財として残されています。二尊院と関わりのある天皇(嵯峨天皇、土御門天皇、後土御門天皇、後嵯峨天皇、亀山天皇)の御分骨を納めると伝わる三帝陵があり、また、法然上人ゆかりの寺として二十五ヵ霊場の第十七番札所となっています。

当寺院のさげわたし数珠玉

寺宝・名所

  • 総門

    二尊院を訪れた際に、最初に出会うのが「総門」です。慶長十八年(1613)に伏見城にあった薬医門を角倉了以によって移築・寄進されたものです。室町時代の建築として京都市指定文化財となっています。総門には文様(装飾のための図柄)があり、唐草模様、数珠入り三つ巴紋、桃の巴蓋瓦など多彩。平成二十六年(2014)には瓦葺き工事により江戸時代の柄のまま復元されています。

  • 紅葉の馬場

    総門を抜けた先に広がる、真っすぐに伸びた参道は「紅葉の名所」として親しまれています。約百メートルの間にモミジとサクラの木が交互に植えられており、秋は赤や黄の色鮮やかな紅葉のトンネルを魅せてくれます。小倉山を背景に、春は華やかな桜色に染まり、夏は色濃く重なる緑に覆われ、冬は霜に輝く木々が連なり、四季それぞれの風景を楽しめます。帰り道、石段の上から眺める参道も見物です。

  • 本堂

    二尊を安置してある本堂。六間取り方丈形式の間口の広い建物は京都市指定文化財。室町時代の応仁の乱(1467〜77)の兵火で諸堂が全焼しますが、永正十八年(1521)に三条西実隆が諸国に寄付を求めて再建。本堂に掲げられている後奈良天皇の自筆による「二尊院」は、この再建時に与えられたものです。平成二十八年(2016)には、約三百五十年振りとなる平成の大改修が完了。由緒ある寺院にふさわしい壮麗さを取り戻しています。

  • 八社宮

    紅葉の馬場を抜け、西へ行くと本堂ですが、東へ進むと「八社宮」があります。境内の東北に位置し、表鬼門としてつくられた社です。その名の通り、伊勢神宮・松尾大社・愛宕神社・石清水八幡宮・熱田神宮・日吉神社・八坂神社・北野天満宮の八社を祀っています。室町時代末期の建築として京都市指定文化財に指定されています。

  • 弁天堂

    弁財天を祀る由来は、当院の『二尊院縁起』に見られます。第三世湛空上人の時代に、四あし門(現在の勅使門)に当院寺名の額があり、その額を夜々に門前の池(竜女池)より靈蛇が出て、字形や彩色が消えるほどに舐めてしまい、これを防ぐため、湛空上人は靈蛇に自らの戒法を授けるため血脈を書いて池に沈めました。すると竜女成仏の証拠として千葉の蓮華一本が咲いたといいます。弁財天の他に大日如来、不動明王、毘沙門天等が安置されています。

  • 二尊院普賢象桜

    しだれ桜が終わる四月半ば過ぎから咲き始める「普賢象桜」。八重咲きの桜ですが、花の中央から二つの変わり葉が出て、これが普賢薩摩の乗っている白象の牙を思わせることから「普賢象桜」と呼ばれます。また、希少な「二尊院普賢象」という桜があり、花弁数二〇〇〜二三〇枚を数え、気品のある淡紅色の花を咲かせます。本堂横の石垣の中にあり、五月の連休まで咲いている日本で一番遅咲きの桜とも言われています。

沿革

 

二尊院の歴史は、嵯峨天皇の勅願により第三代天台座主(円仁)が承和年間(834~848)に建立したことにはじまります。
鎌倉時代の初期には、法然上人(1133~1212)が二尊院に住んで法を説かれ、関白九条兼実公(1149~1207)を筆頭に多くの信望を集めて栄華を迎えました。
第三世の湛空上人は、土御門天皇(在位1198~1210)と後嵯峨天皇(在位1242~46)の戒師(仏門に入るときに戒を授ける師僧)となり、また第四世の叡空上人も後深草天皇(在位1246~59)、亀山天皇(在位1259~74)、後宇多天皇(在位1274~89)、伏見天皇(在位1287~98)の四帝の戒師となり、二尊院はますます栄えました。
応仁の乱(1467~77)の兵火で諸堂は全て焼けましたが、永和十八年(1521)に第十六世恵教上人(後奈良天皇の戒師)のときに、三条西実隆公が諸国に寄付を求めて本堂・唐門を再建しました。
南北朝の頃より明治維新まで、「黒戸四ヶ院」の一寺として京都御所御内仏殿をお守りしていた関係上、旧宮家である鷹司家・二条家・三条家・四条家・三条西家・嵯峨家、そして江戸時代初期の豪商である角倉了以の一族、江戸時代の儒教学者である伊藤仁斎の一族などの墓所があります。
古来より天台宗・真言宗・律宗・浄土宗の四宗兼学の道場として栄えましたが、江戸時代後期より天台宗に属しており、「嵯峨三名跡」の一ヵ寺に数えられます。
奈良の仏師によってつくられた本尊二尊は重要文化財に指定されており、現存する本堂、総門、八社宮、湛空上人廟は京都市指定文化財になっています。平成二十八年(2016)には、平成の大改修として本堂が再建され、新たな歴史を刻んでいます。

拝観のご案内

現在の情報

公開期間
通年公開
公開内容
本堂、茶室「御園亭」他
拝観休止日
法務による
拝観時間
9:00~16:30(受付終了)
拝観料
大人(中学生以上)500円、小人(小学生以下)無料
ご連絡先
電話番号 / FAX
TEL 075-861-0687 FAX 075-861-7972
URL
https://nisonin.jp/

交通案内

名称
二尊院
所在地
〒616-8425 京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
交通アクセス
バスでお越しの方

市バス嵯峨釈迦堂前下車 徒歩約10分

電車でお越しの方

京福嵐山本線 嵐山駅下車 徒歩15分
JR山陰本線 嵯峨嵐山駅下車 徒歩19分

駐車場
無料駐車場10台あり

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