天龍寺Tenryu-ji Temple
臨済宗天龍寺派大本山。正しくは霊亀山天龍資聖禅寺で、京都市右京区嵯峨に位置します。暦応2年(1339)、吉野で亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔うために、足利尊氏が夢窓国師を開山として創建しました。
この地は、檀林皇后(嵯峨天皇の后)が開創した檀林寺のあったところで、のちに後嵯峨天皇の仙洞御所・亀山殿が営まれます。後醍醐天皇はここで幼少期を過ごしました。
夢窓国師は堂宇建立の資金調達のため、「天龍寺船」による中国・元との貿易を進言し、康永2年(1343)ほぼ七堂伽藍が整った。夢窓国師の門流は隆盛し、天龍寺は京都五山第一の寺格を誇りました。
創建以来、天龍寺は延文3年(1358)をはじめ、八回の大火に見舞われ、現代の堂宇の多くが明治期の再建です。夢窓国師による庭園(曹源池)は、わが国最初の史跡・特別名勝に指定され、平成6年(1994)世界文化遺産に登録されています。
寺宝・名所
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曹源池庭園
約700年前の夢窓国師作庭当時の面影をとどめ、日本で最初の史跡・特別名勝に指定されました。 中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、大堰川を隔てた嵐山や庭園西に位置する亀山を取り込んだ借景式庭園でもあります。庭園全体像は寛政11年(1799)に刊行された「都林泉名勝図会」に描かれた姿をよく残している。方丈からみた曹源池中央正面には2枚の巨岩を立て龍門の滝としています。龍門の滝とは中国の登龍門の故事になぞらえたもので、鯉魚石を配しますが、通常の鯉魚石が滝の下に置かれているのに対し、この石は滝の流れの横に置かれていて、龍と化す途中の姿を現す珍しい姿をしています。 曹源池の名称は国師が池の泥をあげたとき、池中から「曹源一滴」と記した石碑が現れたところから名付けられました。
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法堂 雲龍図
法堂(はっとう)天井に平成9年(1997)、天龍寺開山夢窓国師650年遠諱記念事業として日本画家 加山又造画伯(1927~2004)により「雲龍図」が描かれました。 天井(縦10.6m 横12.6m)に厚さ3cmの杉板159枚を張り合わせ全面に漆を塗り、さらに白土を塗った上に直径9mの二重円相内に、直接墨色で躍動する見事な八方睨みの龍が描かれています。 移築当時は明治期に活躍された鈴木松年画伯の雲龍図が描かれていましたが、損傷が激しく現在ではその一部が保存されていて、毎年2月に大方丈にて一般公開しています。
沿革
創建と興隆
その地に足利尊氏を開基とし、夢窓疎石を開山として開かれたのが天龍寺で、その目的は後醍醐天皇の菩提を弔うため暦応2年(1339)に創建されました。造営に際して尊氏や光厳上皇が荘園を寄進しましたが、なお造営費用には足りませんでした。直義は夢窓と相談の上、元冦以来途絶えていた元との貿易を再開することとし、その利益を造営費用に充てることを計画しました。これが「天龍寺船」の始まりです。
造営費の捻出に成功した天龍寺は康永4年(1345)に落慶しました。南禅寺を五山の上として天龍寺を五山の第一位に、この位置づけは以後長く続きました。
火災と兵火
かつて広大な寺域と壮麗な伽藍を誇った天龍寺は度重なる火災に見舞われました。大きなものだけで延文3年(1358)、貞治6年(1367)、応安6年(1373)、康暦2年(1380)、文安4年(1447)、応仁2年(1468)、文化12年(1815)、元治元年(1864)の8回。
この文安の火災と応仁の乱による被害は大きく、天正13年(1585)に豊臣秀吉の寄進を受けるまで復興できませんでした。その後、秀吉の朱印を受けて順調に復興するが、文化年間に被災、この再建途中の元治元年、蛤御門の変に際して長州軍の陣営となり、兵火のために再び伽藍は焼失しました。
以後は歴代の住持の尽力により順次旧に復し、明治9年(1876)には臨済宗天龍寺派大本山となりました。しかし翌明治10年(1877)には上地令により嵐山53町歩を始め(このうち蔵王堂境内175坪をのぞく)亀山全山、嵯峨の平坦部4キロ四方の境内はほとんど上地することとなります。その結果現在の境内地はかつての10分の1、3万坪を残すこととなっています。
復興と再建
こうした逆境の中、天龍寺は復興を続け、明治32年(1899)には法堂、大方丈、庫裏が完成、大正13年(1924)には小方丈(書院)が再建されています。
昭和9年(1934)には多宝殿が再建、同時に茶席祥雲閣が表千家の残月亭写しとし、小間席の甘雨亭とともに建築されました。翌10年(1935)には元冦600年記念として多宝殿の奥殿、廊下などが建立されほぼ現在の寺観となります。
なお塔頭の松巌寺、慈済院、弘源寺の3か寺は元治の兵火を逃れたため、室町様式あるいは徳川期のものが残ります。後嵯峨、亀山両帝の御陵も元治の兵火に全焼しましたが、東西本願寺がいち早く再建し、方形造の廟堂は周囲の陵地とともに宮内省管轄となっています。
(河原書店「京都・世界遺産手帳」)より引用
拝観のご案内
現在の情報
- 公開期間
- 常時公開 ※法堂雲龍図、曽我蕭白筆「雲龍図」公開などについては天龍寺HP(http://www.tenryuji.com/)をご覧ください
- 公開内容
- 庭園、諸堂
- 拝観休止日
- 行事などにより拝観休止日有り(天龍寺HPでご確認ください)
- 拝観時間
- 8:30~17:00(16:50受付終了) ※諸堂は16:45まで(16:30受付終了)
- 拝観料
- 庭園(曹源池・百花苑) 大人500円 小中学生300円 未就学児無料 諸堂(大方丈・書院・多宝殿) 庭園参拝料に300円追加
- ご連絡先
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- 電話番号 / FAX
- TEL 075-881-1235 FAX 075-864-2424
- URL
- http://www.tenryuji.com/
行事案内
現在の情報
年中行事
月 | 日 | |
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1月 | 1日 | 茶礼・祝聖 修正般若修行 |
3日 | 修正般若満散行事 | |
15日 | 祝聖行事・和韻披露 | |
30日 | 例月開山忌 | |
2月 | 1日 | 解制 |
3日 | 天龍寺節分会 | |
3月 | 15日 | 涅槃会 |
4月 | 8日 | 潅仏会(花まつり) |
15日 | 雨安居入制大接心 | |
7月 | 15日 | 山門施餓鬼・解制 |
8月 | 13日~15日 | 盂蘭盆 |
16日 | 嵐山灯籠流し・川施餓鬼(合同) | |
9月 | 15日 | 後醍醐天皇忌・八幡社殿放生会 |
10月 | 5日 | 達磨忌(祖師忌) |
15日 | 雪安居入制大接心 | |
29日 | 開山毎歳忌 宿忌 | |
30日 | 開山毎歳忌 半斎 | |
12月 | 1日 | 臘八大接心 |
8日 | 成道会 | |
31日 | 歳晩渡諷経行事 除夜の鐘 |
交通案内
- 名称
- 臨済宗天龍寺派大本山 天龍寺
- 所在地
- 〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
- 交通アクセス
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- 電車をご利用の方
・京福電鉄嵐山線「嵐山駅」下車すぐ
・JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」下車 徒歩13分
・阪急電車「嵐山駅」下車 徒歩15分
- バスをご利用の方
・市バス11・28・93系統「嵐山天龍寺前」下車すぐ
・京都バス61・72・83系統で「京福嵐山駅前」下車すぐ
- 駐車場
- 有り