数珠巡礼

メニュ

大報恩寺(千本釈迦堂)Daihoon-ji Temple

 

大報恩寺は、鎌倉時代の承久3年(1221)に義空が開いた真言宗智山派の仏教寺院で、千本釈迦堂とも称される長い歴史を持つ由緒あるお寺です。
安貞元年(1227)に建立された本堂は、幾多の戦火を免れ、800年近く経った今も当時のまま残る京都市内(京洛)最古の木造建造物として国宝に指定されています。さらに、行快作国宝「本尊釈迦如来像」や、快慶作重要文化財「十大弟子像」,定慶作重要文化財「六観音菩薩像」など、慶派の仏像彫刻をはじめ貴重な文化財の宝庫でもあります。また、新西国三十三(観音、十六番札所)、近畿十楽観音霊場二番札所、京都十三佛霊場第八番札所、数珠巡礼会と、4つの霊場札所があることでも知られています。

当寺院のさげわたし数珠玉

寺宝・名所

  • 本堂

    承久二年(1220)に義空上人によって仮堂を建立、その後、貞応二年(1223)に、起工され、安貞元年(1227)に上棟されました。 永享年間(1429〜1441)、足利義教によって修理され、小屋束には、嘉吉元年(1441)の釘書があり、このときまで修理がなされていたことが知られています。室町時代には、将軍家からの帰依があり、本堂で修される遺教経(涅槃会・釈迦念佛ともいう)には、将軍家はもちろん公家からの聴聞もありました。 この後も延徳年間(1489〜1492)、永正十七年(1520)、天正十七年(1589)に屋根が葺き直させ、寛文九年(1669)から同十年にかけて、大修理を受け、末寺であった北野経王堂の部材と瓦をもって、屋根が瓦葺に改められました。 その後も幾度かの修理が行われてきましたが延享十五年(1745)から、再度大掛かりな修理が行われ、概ね昭和修理前の姿になったと考えられています。 明治三十年(1897)に特別保護建造物に指定され、昭和二十七年に国宝指定を受けました。昭和二十六年から同二十九年に行われた解体修理工事において本堂および厨子は、創建当初の姿に復元され、今日に至っています。

  • 十大弟子像

    釈迦の弟子から選ばれた10 人の老若の僧が十大弟子と呼ばれ、彫刻や絵画に多く表されています。大報恩寺の彫像「十大弟子」は本尊のお釈迦様に侍り立つために彫られたもので、高さ90cm~100cmのそれぞれの像は十体ともほぼ完全な状態で保管されています。 後世に名を残す名匠快慶(かいけい)とその弟子 行快(ぎょうかい)の銘が一部の像に記されており、また、台座に「正三位行兵部卿 藤原朝臣忠行」の刻書が残され、藤原忠行が正三位兵部の期間中である建保四年(1216)12月から承久元年(1219)8月の間に制作されたものとみられています。大報恩寺の本尊・釈迦如来(秘仏)が快慶の弟子行快作であり、ここに快慶の師弟が心をこめて合作した一群の像を拝むことができます。重要文化財。

  • 六観音像

    六観音とは、真言宗では聖(しょう)・千手(せんじゅ)・馬頭(ばとう)・十一面(じゅういちめん)・准胝(じゅんでい)・如意輪(にょいりん)の観音を言います。等身大の六観音像が揃って残っているのは、極めて稀有な例です。 それぞれ、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道を救う観音とされ、大報恩寺の六観音像は彫刻の刀法が心憎いまでに冴え、衣のひだにも複雑な変化をみることができます。 近年、准胝観音像から発見された墨書銘によると、貞応3年(1224)に定慶のつくったことが判明しており、さらに六観音像の胎内に納められていた経巻が八巻も発見されましたが、経巻の記述では藤原以久の娘が願主となって造像したことがわかっています。聖、千手、馬頭、十一面、准胝、如意輪の六体の観音様は、六道信仰に基づいて作られた仏像で、全国で唯一の六体一同に安置されている観音様を拝むことができます。重要文化財。

  • おかめ塚

    本堂の東側の塀に沿った場所におかめ塚はあります。 大報恩寺の本堂が建築された時に、この大工事の棟梁であった「高次(たかつぐ)」が大切な柱となる木材を短く切り過ぎて憔悴しきった姿に、その柱を使うために枡組という技法で継ぎ足すように提案し、夫の窮地を救った妻「阿亀(おかめ)」を偲んで設けられました。 阿亀は助言によって夫が難局を乗り切ったにもかかわらず、「(建築のプロでもない)女性の提言で棟梁ともあろう人物が大工事を成し遂げたと知られれば、夫の名誉を汚し、信用も失うのではないか。この身を夫の名声のために捧げよう」と上棟式の前日に自害してしまいました。 棟梁の高次は、本堂の上棟式にあたり、妻の冥福と工事の無事を祈って、永久にこの本堂が守られる事を願い、亡き阿亀(おかめ)に因んだ福の面を扇御幣(おうぎごへい)に付けて飾りました。 現在でも、上棟式でおかめ御幣が柱に飾られるのは、おかめの徳を偲んで、永久に保つような頑丈な建物となり、繁栄を祈るためとされています。 また、後に長い戦乱の時代に多くの神社仏閣が焼失した時にも、大報恩寺だけが災難を免れ、創建当時のまま残った事から、“災難厄除”“招福祈願”を祈る土木・建築業者の参拝や、おかめの徳にあやかって“縁結び”“夫婦円満”“子授け”を祈願する女性の参拝が続いています。

  • おかめ桜(しだれ桜)

    大報恩寺の境内中央には、「阿亀桜(おかめさくら)」の名で親しまれる大きな枝垂れ桜が、春先に満開を迎えます。「阿亀」の像の正面に咲くこの美しい桜は、あたかも夫を強く想いながら自害した妻の魂を慰めているかのように、静かな寺院の庭で春を告げています。

お知らせ

  • 京都 師走の風物詩、大報恩寺の成道会(大根焚きの授与)のご案内。

       
    12月7日(木)・8日(金)10:00 ~ 16:00
    8日(金)14:00からは、『成道会法要』~弘法大師秘伝。病魔退散、健康増進の加持祈祷~を致します。
    大報恩寺(千本釈迦堂)国宝 本堂 於
    ※成道会 の期間、秘仏『釈迦如来坐像』(重要文化財)がご開帳されます。

    「成道会」は、お釈迦様が12月8日の夜明け前に明星出現と同時に「さとり」を開かれた事にあやかって、それから後、法要の度に、4本の大根を縦半分に切って8本とし、切り口に釈迦の種子(梵字)を書いて供え、参詣者への「悪魔除け」とされました。
    その後「悪魔除けの大根」は、他の大根と一緒に炊き上げて、参詣者に振る舞われたのが「大根炊き」のはじめと言われています。
    大根焚き発祥の地とされる大報恩寺に伝わる「大根炊き」には、「諸病、悪病」を取り除き、健康増進を願う信徒の皆さんによって継続され、お祓いをした大根に、大報恩寺流(千本式)と言われる独自の味付けをして油揚げと一緒に煮込んだ大根をご来場の皆さんと共に頂いています。
    毎年多くの参拝者で賑わう大報恩寺の成道会(大根焚き)は、京都の伝統行事、京都の師走の風物詩として約750年にわたり親しまれてきました。

沿革

 

千本釈迦堂大報恩寺は今から約800年前、鎌倉初期安貞元年(1227)義空上人によって開創された寺です。本堂は創建時そのままのものであり、応仁・文明の乱にも両陣営から手厚き保護を受け、奇跡的にも災火をまぬがれた京洛最古の建造物として国宝に指定されています。義空上人は、藤原秀衡の孫にあたり、19才で比叡山澄憲僧都に師事、拾数年ののちこの千本の地を得て、苦難の末本堂をはじめ諸伽藍を建立しました。

現在は、真言宗智山派の寺院で、山号を「瑞応山(ずいおうざん)」と言い、千本釈迦堂(せんぼんしゃかどう)とも呼ばれます。千本釈迦堂の名前の由来は、本堂の行快作本尊(ほんぞん)釈迦(しゃか)如来(にょらい)坐像(ざぞう)が古来より厚く信仰されていること。近くに南北に走る千本通があること。千本の卒塔婆(そとば)が道に立てられていたこと。千本の桜あるいは千本の松並木が植えられていること。など諸説あります。

義空は、創建直後に正式な寺院として四条天皇へ寺格の申請をした結果、俱舎(くしゃ)・天台(てんだい)・真言(しんごん)と三つの宗派の認可を受けて、大勢の参拝者が集まる事となり、門前には様々な商売をする人も増えて、大変賑わいのある寺でした。

数少ない中世建築の本堂は、京都市街地では最古の木造建築で、一般的な密教仏堂の配置構成と異なり、本尊の周囲を行道できる常行堂の作りです。

10年間も続いた内乱「応仁の乱」や「明徳の乱」などのいくつもの戦火も免れ、国宝に指定されています。

2月には800年の歴史を持つ「おかめ節分会」、12月7、8日は京都師走の名物行事「成道会と大根焚き」で賑わいます。

拝観のご案内

現在の情報

公開期間
無休
拝観休止日
なし
拝観時間
9:00~17:00
拝観料
拝観料 大人600円 高校生以上500円 小学生以上400円 
ご連絡先
電話番号 / FAX
TEL 075-461-5973 / FAX 075-461-5974
URL
http://www.daihoonji.com/

行事案内

現在の情報

主要年中行事

2月節分節分会
3月22日千本の釈迦念仏
5月8日釈尊花祭
7月9~12日陶器供養会
8月8~16日 精霊むかえ・ 六道詣り
12月7日~8日 成道会と大根焚き

交通案内

名称
千本釈迦堂 大報恩寺
所在地
〒602-8319 京都市上京区七本松通今出川上ル
交通アクセス
公共交通機関をご利用の方

○ JR京都駅から 市バス「50」(立命館大学前行)上七軒下車
○ 阪急烏丸駅・大宮駅から 市バス「203」(御室仁和寺行)上七軒下車
○ 地下鉄今出川駅から 市バス「203」(銀閣寺行)上七軒下車
○ 京阪出町柳駅から 市バス「203」(銀閣寺行)上七軒下車

お車をご利用の方

京都市街の北西部にあたる今出川通上七軒から北へ約200メートル。
西門より境内に入ります。

駐車場
あり。境内駐車場(バス6台、乗用車25台)無料。

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